Stiffmuscle2008/08/20 23:03旧植民地においては「強制連行」の定義を「慰安婦」に敷衍することの意味は十分にあると思いますが、占領地においては「1926年の奴隷条約」、「ILO29号条約(強制労働禁止条約)」、「醜業条約」などから「強制」の定義を再構築するのが妥当であり、それは、日本人元「慰安婦」を含めたすべての元「慰安婦」に適用できます。実際、マクドゥーガル報告はそれらを踏まえたものになっています。しかし、ほとんどの日本人が、クマラスワミ報告もマクドゥーガル報告も読んだことがないし、その概要すら知らないのです。「性奴隷」という言葉が書いてあると聞いただけで、怒ったり、ニヤけたりする(何を想像してんだか・・・)。「強制連行」という言葉を使わないという方法も取れるかもしれませんが、それより重要なことは、「慰安婦」について正確に教科書に記述すること、それから、「奴隷条約」や「ジェノサイド条約」など未批准の国際条約を批准することだと思います。安倍前総理の迷惑な置き土産「新教育基本法」を元に戻し、国際条約を批准するには現政権を下野させることが絶対に必要だと思います。新政権が安定した政策を打ち出し、「政権が交代しても大丈夫なんだ」という実感を国民の多くが持つとき、狭義の「強制連行」だけに拘ることの愚かさもおのずと明らかになるのではと期待しています。
nagaikazu2008/08/24 19:12 時間的余裕がないので,詳しくは説明できないのですが,昭和17年1月14日付外務大臣発「南洋方面占領地に対し慰安婦渡航方の件」(『集成』一巻p165)を根拠に,「太平洋戦争開戦に伴い文官が関与を放棄」,「(軍慰安婦の)徴用,渡航の手続きを軍に一任」と結論するのは,やや議論が強引に思えます。 あの電報の指示そのものは,軍の要求により南方占領地で軍慰安所を開設するために渡航する者(含む慰安婦)に対しては,一般渡航者に与えるような旅券を発行せずに,軍要員として扱う(軍の発行する身分証明書のみにて渡航を認める)ように措置せよというものです。 まず第一に,これは外務省の姿勢を示すものであって,「文官」全般にまで拡張できるものではありません。第二に,これは南方占領地およびその周辺(すなわち東南アジア)への「渡航」に関するものであって,中国の占領地や「満洲国」への「渡航」はこれに該当しませんし,また「渡航」の取り扱いに関するものですので,「徴用」とはそもそも無関係です。なお,歴史用語としての「徴用」は「国民徴用令」にもとづく労務動員を指しますので,軍慰安婦の場合にそれを使うのであれば,より一般的な国家による労働力の徴発という意味で使っていると明示しておいたほうがいいでしょう。 たしかに,第3期には,東南アジア占領地への慰安所関係者の渡航は,軍の管轄下におかれます。そのことを明示的に示す『集成』の資料は,第2巻p.213からの「陸亜密第一三九八号電」(陸軍次官発波集団参謀長・南方軍総参謀長宛昭和17年11月28日宛)で,この電報において,慰安所関係者の渡航手続きは,昭和17年4月23日付陸亜密第一二八三号で通牒された「陸軍関係者南方占領地(含香港)進出手続」に定める「ト」にしたがうべしと,陸軍省は指示しています。具体的には,軍慰安所関係者が「日満支」から南方占領地へ渡航する場合には,陸軍省において銓衡をおこなって,可と認められた者には陸軍省が身分証明書を発行し,その証明書を持参すれば渡航が認められるというものです。 ですので,たしかに第3期については,日本本土・植民地さらに「満洲国」や中国の占領地から東南アジア占領地への軍慰安所関係者の渡航手続きに関しては,外務省もしくは大東亜省の関与外におかれたことは,まちがいない事実だとはいえますが,それを敷延して,「文官全体が関与を放棄した」とまで言うと,それは言い過ぎではないでしょうか。「文官全体」とまで言えば,内地および植民地の警察も入りますが,この資料をもって,警察の関与放棄は証明できませんし,その仮説を裏づける別の資料もありません。そもそも警察関係の資料はごく一部の時期のものしか発掘されていないのです。 「南洋方面占領地に対し慰安婦渡航方の件」について付言しておけば,Traffickingに対する国際条約を結んできた外務省の伝統からすれば,正式旅券を発行することで,公然とそれを破るようなことはしたくなかったのでしょうが,しかし,軍の要請にしたがって,「醜業条約」の精神(あえて規定とは申しません)もしくは「身売り防止」の精神に反して,Traffickingなくしては維持できない軍慰安所制度を,外務省や内務省が容認し,その制度の維持に協力したという点では,第二期も第三期も大きな変わりはないはずです。 ちがうのは,新たに慰安所が開設される占領地への渡航手続きであって,第二期前半は警察の発行する身分証明書があれば,中国への渡航を許可し,第二期後半には,上記警察の身分証明書の発行には,中国占領地におかれた日本領事館の発行する「渡支事由証明書」が必要であるとし(ただし,やむをえない場合は,占領地の軍の発行する身分証明書をもって領事館発行「渡支事由証明書」にかえることができる),第3期には,軍の発行する身分証明書があればそれでよい,との変遷をたどったのでした。
kmiura2008/08/28 22:01Stiffmuscleさん、nagaikazuさん大変有用なコメント、ありがとうございます。書き直そうとしばし右往左往しているのですが、いざ厳密にしようとするとなかなか四苦八苦の状態です。次の二点のことを考えているところです。- "強制連行"を国際条約から再構築するとしたらどのようになるのか。(条文をいろいろ眺めてみる)。- 第2期から第3期への移行は、太平洋戦争開始・戦線の拡大とともに慰安所設置の手段が多様化したという点から(たとえばフィリピン・インドネシアにみられる証言は”第二期”に比較すると場当たり的な軍の行動が多く見られる)、時期をわけるべきではないか、と考えているのだが、これを資料からいかにして説明するか。たとえばnagaikazuさんに説明していただいた身分証明書の発行元の変遷、はそのひとつかもしれない。いつまでもレスをしないのも恐縮なのでとりあえずのお返事まで。
ntoybmiihq2011/06/04 19:46cskVp5 , [url=http://rxyvsqarwppk.com/]rxyvsqarwppk[/url], [link=http://gwcqlpknjvoe.com/]gwcqlpknjvoe[/link], http://aqknifxartur.com/
最新キーワード
実際、マクドゥーガル報告はそれらを踏まえたものになっています。しかし、ほとんどの日本人が、クマラスワミ報告もマクドゥーガル報告も読んだことがないし、その概要すら知らないのです。「性奴隷」という言葉が書いてあると聞いただけで、怒ったり、ニヤけたりする(何を想像してんだか・・・)。
「強制連行」という言葉を使わないという方法も取れるかもしれませんが、それより重要なことは、「慰安婦」について正確に教科書に記述すること、それから、「奴隷条約」や「ジェノサイド条約」など未批准の国際条約を批准することだと思います。安倍前総理の迷惑な置き土産「新教育基本法」を元に戻し、国際条約を批准するには現政権を下野させることが絶対に必要だと思います。新政権が安定した政策を打ち出し、「政権が交代しても大丈夫なんだ」という実感を国民の多くが持つとき、狭義の「強制連行」だけに拘ることの愚かさもおのずと明らかになるのではと期待しています。
「太平洋戦争開戦に伴い文官が関与を放棄」,「(軍慰安婦の)徴用,渡航の手続きを軍に一任」と結論するのは,やや議論が強引に思えます。
あの電報の指示そのものは,軍の要求により南方占領地で軍慰安所を開設するために渡航する者(含む慰安婦)に対しては,一般渡航者に与えるような旅券を発行せずに,軍要員として扱う(軍の発行する身分証明書のみにて渡航を認める)ように措置せよというものです。
まず第一に,これは外務省の姿勢を示すものであって,「文官」全般にまで拡張できるものではありません。第二に,これは南方占領地およびその周辺(すなわち東南アジア)への「渡航」に関するものであって,中国の占領地や「満洲国」への「渡航」はこれに該当しませんし,また「渡航」の取り扱いに関するものですので,「徴用」とはそもそも無関係です。なお,歴史用語としての「徴用」は「国民徴用令」にもとづく労務動員を指しますので,軍慰安婦の場合にそれを使うのであれば,より一般的な国家による労働力の徴発という意味で使っていると明示しておいたほうがいいでしょう。
たしかに,第3期には,東南アジア占領地への慰安所関係者の渡航は,軍の管轄下におかれます。そのことを明示的に示す『集成』の資料は,第2巻p.213からの「陸亜密第一三九八号電」(陸軍次官発波集団参謀長・南方軍総参謀長宛昭和17年11月28日宛)で,この電報において,慰安所関係者の渡航手続きは,昭和17年4月23日付陸亜密第一二八三号で通牒された「陸軍関係者南方占領地(含香港)進出手続」に定める「ト」にしたがうべしと,陸軍省は指示しています。具体的には,軍慰安所関係者が「日満支」から南方占領地へ渡航する場合には,陸軍省において銓衡をおこなって,可と認められた者には陸軍省が身分証明書を発行し,その証明書を持参すれば渡航が認められるというものです。
ですので,たしかに第3期については,日本本土・植民地さらに「満洲国」や中国の占領地から東南アジア占領地への軍慰安所関係者の渡航手続きに関しては,外務省もしくは大東亜省の関与外におかれたことは,まちがいない事実だとはいえますが,それを敷延して,「文官全体が関与を放棄した」とまで言うと,それは言い過ぎではないでしょうか。「文官全体」とまで言えば,内地および植民地の警察も入りますが,この資料をもって,警察の関与放棄は証明できませんし,その仮説を裏づける別の資料もありません。そもそも警察関係の資料はごく一部の時期のものしか発掘されていないのです。
「南洋方面占領地に対し慰安婦渡航方の件」について付言しておけば,Traffickingに対する国際条約を結んできた外務省の伝統からすれば,正式旅券を発行することで,公然とそれを破るようなことはしたくなかったのでしょうが,しかし,軍の要請にしたがって,「醜業条約」の精神(あえて規定とは申しません)もしくは「身売り防止」の精神に反して,Traffickingなくしては維持できない軍慰安所制度を,外務省や内務省が容認し,その制度の維持に協力したという点では,第二期も第三期も大きな変わりはないはずです。
ちがうのは,新たに慰安所が開設される占領地への渡航手続きであって,第二期前半は警察の発行する身分証明書があれば,中国への渡航を許可し,第二期後半には,上記警察の身分証明書の発行には,中国占領地におかれた日本領事館の発行する「渡支事由証明書」が必要であるとし(ただし,やむをえない場合は,占領地の軍の発行する身分証明書をもって領事館発行「渡支事由証明書」にかえることができる),第3期には,軍の発行する身分証明書があればそれでよい,との変遷をたどったのでした。
大変有用なコメント、ありがとうございます。書き直そうとしばし右往左往しているのですが、いざ厳密にしようとするとなかなか四苦八苦の状態です。
次の二点のことを考えているところです。
- "強制連行"を国際条約から再構築するとしたらどのようになるのか。(条文をいろいろ眺めてみる)。
- 第2期から第3期への移行は、太平洋戦争開始・戦線の拡大とともに慰安所設置の手段が多様化したという点から(たとえばフィリピン・インドネシアにみられる証言は”第二期”に比較すると場当たり的な軍の行動が多く見られる)、時期をわけるべきではないか、と考えているのだが、これを資料からいかにして説明するか。たとえばnagaikazuさんに説明していただいた身分証明書の発行元の変遷、はそのひとつかもしれない。
いつまでもレスをしないのも恐縮なのでとりあえずのお返事まで。