2008-09-26
■ 韓国における「挺身隊」と「慰安婦」の認識

千田夏光『従軍慰安婦 正篇』、三一書房、1978年(オリジナルは1973年、双葉社)
「日本で朝鮮の挺身隊のことが問題になったことがあるのですか」
「正直のところ挺身隊という言葉のあること、そしてその挺身隊という言葉が、慰安婦と同義語として韓国でうけとられていることを私は初めて知りました。また、慰安婦という言葉を知っている人がいたとしても、普通の売春婦と同義語と思っている日本人の方が多いと思います」
「韓国でも若い人はもう知りません。知っているのは40代以上ではないかと思います。私も資料を読んで知ったのです」
「韓国で関心を持つ人はいないのですか」
「朝鮮戦争とかいろんなことがありましたから。それに今の韓国は重大な問題が沢山ありますし、そのことに目を向ける暇が無いのです」
「でも・・・・・・・」
(127~128ページ)
金一勉『天皇の軍隊と朝鮮人慰安婦』、三一書房、1976年
筆者は「朝鮮人の軍隊慰安婦」と銘打ってきたが、じつは朝鮮では“慰安婦”という用語さえ知らない。それは通用しない語である。ただし、日本戦争中の「女子挺身隊」といえばわかるのだ。ということは、朝鮮総督府の官憲らは、“内鮮一体”をわめきながら戦地で働くといって「女子挺身隊募集」をやったのであって、けっして軍隊慰安婦(女郎)といった名目で女たちを募ってはいないからである。つまり、ことごとくウソ八百をならべて騙して連れていったことを意味する。したがって「慰安婦」といっても朝鮮ではわからない。
(274~275ページ)
伊藤孝司『証言 従軍慰安婦・女子勤労挺身隊』、風媒社、1992年
朝鮮人「従軍慰安婦」と朝鮮「女子勤労挺身隊」は、未だに混同されている場合がある。
兵隊の相手をさせられるために連行された「慰安婦」たちは、軍の指示を受けた民間人に「工場・食堂で金儲けできる」とだまされたり、誘拐された場合もあった。それだけでなく軍が直接トラックで田舎を回って見つけた女性をかたっぱしから捕まえる「人狩り」をしたこともあった。
連行された先も、日本が占領・統治した地域すべてに、しかも戦闘の最前線にまで及んだ。また、日本国内の基地にある「慰安所」にも連れて行かれている。
これに対し「勤労挺身隊」は、「国民学校」の在校生・卒業生が対象にされた。つまり学校を介して「募集」がおこなわれたのである。彼女らは植民地下において、「国民学校」に通えるだけの経済力があった家庭の子どもたちで、「金儲け」よりも「女学校の卒業証書」でだまされて連れて行かれた。しかも、「慰安婦」にされた女性たちよりも、年齢は低かったと思われる。
このように「慰安婦」と「挺身隊」とでは、人の集め方など基本的なところに明らかな違いがあった。しかし、この二つには非常に近い部分もあったのである。
本書に証言を収めている李在允(イ・ジュエン)さんは、だまされて「慰安婦」にされそうになったものの、背があまりにも低かったのでまぬがれた。そして朝鮮内の軍需工場へ連れていかれた。
また、姜徳景(カン・トクキョン)さんは、富山の「不二越」から3回にわたり逃亡をはかったが捕まってしまい、日本国内の「慰安所」で働かされている。
そして、日本国内の数ヶ所の「慰安所」を次々と移された沈美子(シム・ミジャ)さんは、自分のように学校で「反日的」として「慰安婦」にされた女性は、全体の1割もいたと語っている。
つまり、「従軍慰安婦」と「勤労挺身隊」は、連れて行かれた先が「慰安所」なのか軍需工場なのかは、まったくの紙一重の差だったといえよう。
「慰安婦」の実態が、日本の敗戦から半世紀近くも明らかにならなかったのは、当事者たちがあまりにもいまわしい過去を語らなかったこともあるが、日本政府が他の朝鮮人強制連行以上に、徹底してその事実を隠していたことが大きい。
(75~77ページ)
Thank you for your comment.
For both the issue of the term refereed to comfort women in Korea back then -teishintai (chongsindae in Korea) or ianfu (wianbu)- and the issue of chonsindae-wianbu cases (only five cases have been confirmed according to C. Sarah Soh), I recommend you to read the following two books:
1) C. Sarah Soh. The Comfort Women. Univ of Chicago Pr (Tx), 2009.
(Please keep in mind that this book includes a number of severely-biased
interpretations and descriptions by the author.)
2) 鄭 鎭星『日本軍の性奴隷制―日本軍慰安婦問題の実像とその解決のための運動』
2008年、論創社。