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noharra
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「性的な聖性」を安価に供給するシステム
戦場で「従軍慰安婦」が必要であることは誰でも分かる、と力強く断言した橋下徹を思い出す。
戦場での長時間の戦い、殺される恐怖、人を殺すという体験そのような極限的緊張の持続のあとでは、特別の弛緩の時間が必要だ。
「人肌に触れないと正気でいられない」。戦場から日常に戻るのではなく、身体、皮膚、性的交渉、あえていえばそこに別の〈聖性〉への希求というものを人は求めるのかもしれない。
さて、そのような「性的な聖性」を安価に供給するシステムを国家は作り上げた。システムが作られることにより、性交は権利となり、それがなければ兵士は文句を言い、自力で「強姦所」を作り上げた例も多い。
国家の側から見れば、それは必須のものとして供給された。しかしそこに供給された女体の側からみればどうだろうか。
「性的な聖性」の供給とは、女体が一時的に〈菩薩〉となることであり、その存在を貶めることとは矛盾する。労働条件やファッションなどあらゆる手段でその存在は美化されなければならない。
「日中戦争のさなかに、私が武昌や南京の青楼で見かけたあなた方は、不遜なまでに若かった。三日月型の黛はどこまでも青く、しどけなく開いた胸からは、眩しくももの悲しい曲線がこぼれおち、後れ毛をかきあげる華奢な指先には、切ないノスタルジアの蝶々が舞っていた。」と詩人は歌い上げた。
しかし実際はどうだったのか? 現実のそこにいた女性たちは、多くの場合何の美的要素もない小屋にただ横たわり、場合によっては「前の使用者」が残した精液がついたままの性器をただ供給しただけだった。「性的な聖性」の供給が幻想性に根拠を置くものである以上、それでもそこからなんらかの癒やしを得たものは居ただろう。
しかしそこに横たわった女体たちにとってはどうだったのか?
「あなたは慰安所に「払い下げ」られ、三年もの間、無数の日本兵の相手をさせられた。多いときは一日に何十人もの男と寝なければならなかった。この間、あなたの同僚の多くが、性病や結核に罹ったり、無謀な堕胎を強いられたりして、次々と命を落としていった。やがて日本の敗戦となったが、日本軍はあなた方を置き去りにして」去った。
男たちが「あなた」との接触にどんな夢を重ねようと、そして一瞬は「あなた」自身がその夢を信じようとしたところで、夢は夢でしかなく、現実は過酷な性労働の持続があるばかりである。
そしてその後、ボロボロになった身体と何重もの汚名の元に長い戦後を生き続けなければならなかった。
「従軍慰安婦」に対する謝罪が、心からのものでなければならない理由がここにある。
慰安婦たちは、「性的な聖性」をくださった。わたしたちはそのことに大きな感謝とともに心からの謝罪を捧げつづけなければならない。
(野原燐)
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3「性的な聖性」を安価に供給するシステム
noharra
2018/03/08 10:09:58
震災風俗嬢と「従軍慰安婦」の類似は明らかだ。 戦場で「従軍慰安婦」が必要であることは誰でも分かる、と力強く断言した橋下徹を思い出す。 戦場での長時間の戦い、殺される恐怖、人を殺すという体験その ...
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