164:
kmiura
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Re:11、全体批判、常野雄次郎氏
見事な批判なのでどうぞ。全体をよんでいただいたほうがいいのですが、最初のところだけ。
「永遠の嘘をついてくれ」――「美しい国」と「無法者」の華麗なデュエット 前編
@(元)登校拒否系
http://d.hatena.ne.jp/toled/20070726/1185459828
この意見広告は、フロイトが分析したヤカンについての小咄と似た構造をしている。AはBから銅のヤカンを借りる。ところがAが借りたヤカンを返した時には、ヤカンには大きな穴が開いてしまっている。Bの非難に対して、Aは弁解する。
まず第一に、俺はBからヤカンを借りてない。第二に、Bからヤカンを渡された時には既に穴が開いていた。第三に、ヤカンは全く無傷の状態でBに返した。*2
この三つの弁解は、それぞれ別々に見れば、Bの非難に対する反論として妥当なものだ。問題は、これらの弁解がお互いに否定し合っているということだ。Aの三つの反論が同時に成り立つことはない。Aは自らが潔白である理由を列挙していくうちに、墓穴を掘っていくのだ。
『イラク』において、ジジェクはアメリカのイラク侵攻のいくつもの口実の相互矛盾をこのヤカンの小咄になぞらえて分析している。*3上の意見広告の「事実」の羅列もまた、同じ執筆者によることを疑いたくなるほど奇妙なものだ。
FACT 1-1:日本軍によって女性たちが売春を意思に反して強制されたことを示す史料は発見されていない。
FACT 1-2:軍の名を騙って募集を行った者は処罰されたことを示す史料がある。
FACT 2:女性たちに意思に反して慰安婦となることを強制した者は処罰された。これは日本政府が女性に対する非人道的な犯罪に厳しく対処した証拠だ。
FACT 3:ある軍の部隊がオランダ人女性を狩り集めて強制的に「慰安所」で働かせたが、これが明らかになると軍の命令で慰安所は閉鎖され、責任ある将校は処罰された。
FACT 4-1:元慰安婦は最初はブローカーに連行されたと証言していた。
FACT 4-2:反日キャンペーンが始まってから、彼女たちは誘拐犯が警官の制服のような格好をしていたと言うようになった。
FACT 5-1:日本軍に従軍していた慰安婦たちは、「性奴隷」ではない。
FACT 5-2:彼女たちは、当時は世界的に一般的だった認可制売春制度の下で働いていた。
FACT 5-3:彼女たちの待遇はよかったという多くの証言がある。
FACT 5-4:彼女たちに対する暴力について、兵士たちが処罰されたことを示す記録がある。
[以上は直接引用ではなく僕の独断的な要約です。]
それぞれの「事実」を個別に見れば、日本軍の責任を回避するために役立つかもしれない。「事実」が事実なのであれば。しかし、ここに並べられた「事実」は、反論を待つまでもなく既にお互いに打ち消し合っている。ここに積み上げられた「事実」は、同時に成立しえないからだ。たとえば、軍は関与していないという「事実」と女性たちを強制連行した軍関係者は処罰されたという「事実」を併記することによって、彼らは何を言おうとしているんだろうか?
■ 2:Freud, S, The Joke and Its Relation to the Unconscious, 2002, p. 51.
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164Re:11、全体批判、常野雄次郎氏
kmiura
2008/08/19 09:51:21
見事な批判なのでどうぞ。全体をよんでいただいたほうがいいのですが、最初のところだけ。 「永遠の嘘をついてくれ」――「美しい国」と「無法者」の華麗なデュエット 前編 @(元)登校拒否系 htt ...
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