日常生活では、どんな店屋の主人でもしごくあたりまえに、ある人が自分がこうだと称する人柄と、その人が実際にどういう人であるのかということを区別することぐらいはできるのに、わが歴史記述ときては、まだこんなありふれた認識にさえも達していないのである。それは、あらゆる時代を、その時代が自分自身について語り、思い描いた言葉どおりに信じ込んでいるのである。 『ドイツ・イデオロギー』
071205
■ [documents] 文さんの預金通帳

id:葉隠さんのサイトに文玉珠さんの貯金通帳が掲載されている。「2万円も貯金していた!」、「軍の大将よりも高給だった」とする主張の根拠とされる記録である。もちろん、この金額がインフレによって価値の下落した軍票の額面であることを彼らが無視しているので、「大将より高給」などとはいうべくもないのであるが(参考1:「従軍慰安婦問題・慰安婦高額報酬説のトリック」、参考2:「慰安婦高額報酬説を裏付ける史料はあるのか?」)、以前から気になっていた、この貯金通帳の記号「戦りふ」に関してネット上に展示されている当時の貯金通帳と比べてみた。当時の外地における郵便貯金は、野戦郵便局、海軍軍用郵便所、外地郵便局で行われた。前者二つはそれぞれ陸軍、海軍の郵便ネットワークである。これらの軍用郵便局が運用していた貯金を総称して、”軍事郵便貯金”と呼ばれる。一方、外地郵便局における外地郵便貯金は、一般の市民のためのものである。それぞれの画像を探してみると、軍事郵便貯金通帳に関しては次の4点。
軍事郵便貯金通帳(画像)
http://blog.goo.ne.jp/nagoya-jp/e/0d3078eab7a412fe194b5ebe108b1a72
記号 ”戦とり”
が軍事郵便貯金通帳(画像)
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/cb/a46c40aaecbdda882a31af8c81ba616b.jpg
記号”戦はり”
軍事郵便貯金通帳(画像)
http://blog.goo.ne.jp/nagoya-jp/e/8509db88576c886d5c806307fc30d0c8
記号”戦とな”
軍事郵便貯金通帳(画像)
http://blog.goo.ne.jp/nagoya-jp/e/c55c318532d1faf6eda8a325cba6aaf4
記号"艦いる"
一方、軍事郵便貯金でないらしきものとして
http://www.geocities.jp/parurutown/kj-1.jpg
記号”金ふ”
以上のことから、記号の一文字目”戦”は野戦郵便局、”艦”は海軍軍用郵便所における軍事郵便貯金をさすものとおもわれる。文さんの預金通帳の記号”戦りふ”はおそらく戦地郵便局における戦時郵便貯金を意味する記号であろう。さすれば、軍事郵便貯金は軍人軍属専用なので、葉隠さんが指摘するように慰安婦がまさに”従軍”であるということの傍証となる。
自分の言葉や思い込みが強すぎて、動議も冷静に読むことさえできない(というか、古森さんは動議の案文を読んでないに一円五十銭!)。困った国際問題評論家さんですね。