日常生活では、どんな店屋の主人でもしごくあたりまえに、ある人が自分がこうだと称する人柄と、その人が実際にどういう人であるのかということを区別することぐらいはできるのに、わが歴史記述ときては、まだこんなありふれた認識にさえも達していないのである。それは、あらゆる時代を、その時代が自分自身について語り、思い描いた言葉どおりに信じ込んでいるのである。 『ドイツ・イデオロギー』
071215
■ [memo] 日本政府のロビィイング

欧州議会の慰安婦決議のライブを最後の部分だけみたのだが、投票の前のスピーカーの一人が日本政府のロビィイングに関して憤懣やるかたない感じでひとこといっていた。なんでも”日本の大使”(おそらく川田さん)が「日本の文化では子供に性的なことを教えるのははばかられる」という理由で決議にある日本の歴史教科書・歴史教育の件にクレームをつけたということだった。メモをとったわけではないので、もうすこし詳しいこともいっていたかもしれないのだが、それを聞いて私は思わず失笑した。ひとつにはあまりに時代錯誤なそのはばかりかたなのだが、そこには文化ギャップと”未知の国、日本”なるステロタイプを利用しようという考えもみえなくもない。一方で困ったことに今のヨーロッパには日本から輸入翻訳されるマンガが多数有り、キオスクで普通に売っている。その性的な過激さはいわば常識の部類に属している(私までもが「やっぱりおまえも日本人、高校生の女の子の制服とかすきなんだろ」とからかわれたりする始末である)。これだけスケベなティーンエイジャー向けのマンガを大量生産しておいて、「性的にナイーブな日本人なんです」なんて日本の大使にいわれたら、あら、ご冗談でしょう、とでもいうしかない、ということになる。なんともおそまつなことである。
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人権擁護法案に対する城内実氏の批判を読んだときにも感じたことですが,総じて言えば,右派の頭の中では《「日本国民」vs.「人権派」弁護士・人権団体・「反日」団体(日本国内で言えば朝鮮総連など)の連合軍》という戦線が形成されていて,後者を一掃しなければ「健全な」日本は実現しないということのようですが,しかしこの目標を実現しようとすれば,ナチスばりの権威主義国家に行き着くことは避けられないでしょう。
中曽根談話ももうすこし有名になるといいんですけどね。
Niphoneseさん
「反日」という言葉が平気でハードのメディアに登場するようになったのはこの5年ぐらいのことではないでしょうか。一度「反日」ということばの出現頻度を時系列でプロットしたいな、と思って検索してみたのですが、機能をうまくつかいこなすことができなくて、頓挫しました。
ついででもあるので、関連する拙稿をいくつかリストします。
http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20040412
テロに屈しない、という態度と行動は本当にテロ再生産を抑止するのか。
人質の三人のアイデンティティ いくつかの随想
身の安全、ということと、むき出しの個人
http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20040430#p1
ムラと村
http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20040510#p2
”自作自演説”
http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20041007#p1
情報からの逃避行動
http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20041030#p1
日本人人質 遺体発見?
http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20070130#p1
外界の創造