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zames_maki
映画「蟻の兵隊」で慰安婦を知る
映画「蟻の兵隊」 蓮ユニバース2006年 101分 ドキュメンタリー
http://www.arinoheitai.com/index.html
…終戦当時、中国の山西省にいた日本軍の一部の部隊は軍司令官の命令で武装解除をすることなく中国に残留、中国国民党軍に編入され、共産党軍との内戦を戦った。しかし生き残り帰国した彼らは日本政府によって逃亡兵とみなされた。政府は、兵士たちが自分の意志で勝手に戦争を続けたという。元残留兵たちは自分たちの戦争を確認すべく訴訟を起こすが、メディアはまったく取り上げなかった。当時、実際に残留兵として中国内戦を戦った奥村和一(80才)にカメラを向け、日本軍山西省残留問題の真相解明に奔走する氏の姿を追ったドキュメンタリー。
慰安婦問題は、ついに映画でそれを「感じる」ことができるまでに進展した。
この映画「蟻の兵隊」は、一見残留日本兵の裁判を扱った映画に見えるが、実はその主題は、むしろ元日本兵が自分の戦争と向き合い、日本軍が中国で何をしてきたか、「感じる」ところにある。そこには「慰安婦」も登場してくる。そしてそこではネットの上での慰安婦論争でよく登場するものがたくさん観客の目の前に現れるのです。
①旧日本軍の資料
主人公奥村和一(残留日本兵、80才)は中国山西省公文書資料館に裁判の証拠を捜しに行く。そこで発見されたのは、残留日本軍指揮官が書いた残留軍の「本分」つまり残留目的だった。観客は中国の文書館(それはまるで田舎の図書館のようだ)にあった、ただの紙の束、その古びた紙に書かれた、カナ交じり文を見る。それは慰安婦問題でよく登場するあの感覚である。
②証拠論議
裁判に持ち込まれたこの問題は、証拠はあるのか?がポイントだ。国側は昭和30年代に国会で軍司令官が、「奴らは勝手に自分で残ったのであります」という答弁だけで、あとは証拠はないと言う。しかし奥村は、中国で陰謀を図った相手側の参謀に会い、「陰謀があって残留したのはよく知られているが、資料はないし関係者はみんな死んだ」という返事を得る。陰謀があって残されたのは中国の本にも書かれているのだ。しかし裁判では証拠はないからダメだという。事実ははっきりしている、しかし裁判では負ける。まるで慰安婦の賠償裁判そっくりの構図を観客は見せつけられる。
③日本軍は何をしたか=今も過去は過ぎ去らない
主人公奥村は証拠を捜し、自分が戦闘を行った中国の奥地の村へ赴く、そこで見たものは何だったか?そこには今も銃弾の跡が残る古びた煉瓦の家があり、見覚えのある市街が広がっている。そして実際に交戦した、共産党軍兵士が登場し「日本軍は全員殺したと思っていたがなあ」とにこやかに話す。そこには戦争は生々しく残っているのだ。私は今も故郷に帰れず中国の慰安所の周辺に住んでいる朝鮮人慰安婦を思い出さずにはいられない。
④日本軍の暴行=慰安婦との邂逅・証言
主人公奥村は、自分は強姦したことはないが、考えてみれば手伝っていた事を思い出す。見張っておれと言われ、仲間が民家に入っていくのを覚えている、しかしそれはこの60年間思い出さなかったものなのだ。そして、彼は日本軍に暴行され、強姦された元「慰安婦」の老婆に会う、老婆は強姦の様子をしごく平易に、しかしはっきりと語る。そして言うのだ「あなたは悪い人には見えない、自分のしたことを素直に人に話したらいいのに」と。実は奥村は戦後、妻にも一切戦争の話をしたことはない、彼が訴訟まで起こした戦後残留し戦った事も、中国人を肝試しのために銃剣で刺し殺したことも話したことはなかったのだ。
⑤元日本兵士の証言=戦争を知ると言うこと
奥村は自分が肝試しのために殺した中国人農夫の足跡を訪ねる、しかしそこで彼が発見したのは実は農夫ではなく、日本軍の炭坑を守るいわば傀儡軍の兵士であったことだ、それを知った奥村は詰問する。「なぜ抵抗しなかったのか?逃げないお前の方が悪い」と。奥村は60年前に戻っていた、そこには殺される前に殺せという、あの凶暴な日本兵がいた。ホテルにもどった奥村は、やがて気づき恐ろしく疲労した表情を見せる。
戦争は人を離してくれない、60年前の戦争を批判した奥村自身でも、戦争というものが自分を変えたことに、その瞬間まで気づかなかった。それほど戦争は恐ろしい。
映画は終盤、2005年8月15日の靖国神社の光景を映し出す。そこには旧日本軍の格好をして整列行進をする一群、そして演説する小野田少尉が見える。奥村は小野田に声をかける「戦争美化ですか?」小野田は老人特有の剥き出しの敵意をもって答える「正当化だ!開戦の詔勅を読め!(自衛のためやむ得ず戦争を始めると書いてある)」。一見平和的で、のどかな場に、戦後も残留した老兵士同士の恐ろしい対立を見せる。その対立はあまり実をもったものに見えない、小野田は慰安婦は売春婦だと語ったらしいが、それを肯定的に引用する人間でも彼の意見を真面目にとっている人間はいないだろう。当事者は自身は自分の体験を語るしかない。それを社会的に位置づけ共通理解を築くのが、戦後生まれの我々の責務である事を実感できる瞬間である。
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2映画「蟻の兵隊」で慰安婦を知る
zames_maki
2007/06/06 15:39:18
映画「蟻の兵隊」 蓮ユニバース2006年 101分 ドキュメンタリー 監督:池谷薫 出演:奥村和一(残留日本兵) http://www.arinoheitai.com/index.html ...- ├
3Re:映画「蟻の兵隊」で慰安婦を知る
zames_maki
2007/06/06 16:51:50
他の人はどう見ていたか http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=325161 投稿者: 黒美君彦 こうした証言をする老兵は、「この ... - ├
5Re:映画「蟻の兵隊」で慰安婦を知る
zames_maki
2007/06/13 23:18:23
この映画で証言する元「慰安婦」はリョウ面換さんです。 彼女は、山西省から名乗りをあげた元慰安婦のグループの一人であり、例えば「黄土の村の性暴力」で研究者の調査を受け証言を行っている一人ですし、雑誌「 ... - └
6Re:映画「蟻の兵隊」で慰安婦を知る
zames_maki
2007/06/13 23:35:47
私は、このスレッドに「慰安婦を知るという事は何か?」と主題をつけました。 つまりこのスレッドの目的は、慰安婦について知るという作業から、我々はどんな経験をし、どんな認識に達するのか?ということです。 ...
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3Re:映画「蟻の兵隊」で慰安婦を知る
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